ゲレンデの喧噪から離れて、大自然の中に踏みだそう。
降りたての雪を踏みしめる音だけを聞きながら、誰も滑っていない斜面を求めて森の中を歩く気持ち良さは格別。
自然のままの山を滑る楽しさと、真冬のピクニックを合体させた新感覚の雪山の楽しみ方です。
そんなバックカントリーにチャレンジしてみましょう!
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①ハイクアップで登頂した時の達成感
リフトのない雪山をふもとから登り、山頂にたどり着いた時は純粋に何とも言えない達成感があります。
ハイクアップの途中で見える景色も日常では見られない絶景で、空気が澄んでいて、まだ滑っていないのに何とも言えない喜びが湧いてくるはずです。
②思わず絶叫しちゃうほどのパウダーを滑れる
1月2月のトップシーズンには、驚くほど良質なパウダースノーを、周りに誰もいない状態で思う存分楽しむことができます。
「この一本のために登った甲斐があった!」
広大で新雪の乗ったスロープを滑り降りる疾走感は、スキー場しか滑ったことのない人にとっては、全く新しい感覚と感動を覚えるに違いありません。
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スキーと同様にスノーボードもバックパックを背負うのが一般的です。
日帰りなら20Lくらいの薄いものがオススメ。あまり大きなバックパックだと、スノーボードをくくりつけたときに安定しません。 |
スノーボードの場合はスノーシューと呼ばれる、いわゆる「かんじき」を履いて歩くことになります。
歩くときにはバランスを取りやすくするためポール(いわゆるストック)を使う方がいいでしょう。
行動中の食料や水、アバランチキットなどをしまったバックパックを背負い、歩いている間、スノーボードはこのバックパックに取り付けておきます。
たまに手に持ってハイクしようとする人がいますが、うっかりバランスを崩してスノーボードが手から離れてしまい、谷の底まで流してしまうというトラブルも起こりえます。スノーボードはバックパックに固定、が原則です。 |
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スノーシューの代わりに、スプリットボードを使うという選択肢もあります。
スプリットボートとは、中心から縦に分割できて、スキーのようになるスノーボード。近年、発売しているブランドもモデルもどんどん増えてます。
スキーのようにシールをつけてラクラク歩くことができます。雪が深ければ深いほどスノーシューと比べて楽に進めます。
バックパックにボードを取り付ける必要がなく荷物も軽く、歩行中、風や木の枝などの影響を受けることが少なく、体力的な面でも非常に有効です。もちろん、ストックも使います。 |
※スプリットボードは登行時には分割してヒールフリースキーに、滑降時には再びボードにして使用が可能。
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ビーコン・ショベル・プローブ
この3つを「アバランチキット」あるいは「アバランチセーフティキット」と呼んでいます。
死に繋がることもある雪崩は、絶対に避けなければならないアクシデントですが、相手は一筋縄ではいかない自然現象。いくら注意を払っていても防ぎきれないこともあります。
さらにバックカントリーはゲレンデから離れているため、救助を呼んでも到着までに時間がかかります。
もし雪崩に遭った場合には、埋没した仲間を自分たちで掘り出さなければなりません。
ビーコンは大まかな位置を見定め、プローブは雪に突き刺して感触で埋没者の居所を探り、ショベルは掘り出すための装備。
アバランチキットは万一雪崩に遭ったとき、お互いがお互いを絶対に助け出すという信頼の証なのです。
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バックカントリーの装備の中でもトップクラスに重要なものが「ビーコン」。
一見するとトランシーバーのように見えますが、これで話をすることはできません。
ビーコンとは電波発信機のこと。万一雪崩に埋まってしまったときのことを考えて、バックカントリーでは常に送信状態で身につけておきます。
誰かが雪崩に埋まったら、全員がビーコンを受信に切り替えて電波の発信源を1つに絞ります。
その後で、扱いに慣れた人が受信状態のビーコンを使って発信場所を特定し、救助する。
ビーコンをきちんと扱えるようになるには、かなりの訓練が必要です。
ツアーではガイドさんの扱いをよく見ながら、少しずつその扱い方を覚えていきましょう。 |
★★安全で楽しいバックカントリーツアーのために★★
バックカントリーの安全を自分たちだけで確保しようとすると、訓練だけで何年もかかってしまいます。
ビーコンやショベルなど特別な道具の扱い方を教えてくれて、疲れない歩き方や道具選びのポイントをアドバイスしてくれて、現場では危ないルートに気を配って、レベルに応じて楽しく滑れる場所に安全に連れて行ってくれる…バックカントリーに関するプロフェッショナルがバックカントリーガイドです。
ガイドさんと一緒なら安心して行動できますし、マナーも知識もガイドさんから学ぶことができます。
山に慣れてないからこそ、初めのうちは先生についてもらいましょう。
ビギナーこそ、積極的にガイドさんに頼るのが正解なのです。
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